何で、……嗤っているの? こんなの、狼じゃない。 だって……。これじゃ、まるで――[喘ぐように零す言葉は、見かねて本を閉じるシスターに遮られて>>175 彼女とヨアヒムの諍いやペーターの不安>>178が、ひどく遠くに聞こえていた。今、リゼットの裡にあるのは――どうして本の中の怪物が、伯父やその仲間たちと同じ嗤いを浮かべているのだろう?そんな、疑問だった]