[雲の階段に腰掛けて、細い銀糸と鉤針を取り出すと編み物を始めた。絡み合い複雑な形を為す いと。それは「現在」の象徴のごとく。檻の中のフェリクスが告げた言葉を胸のうちに反芻する。>>179] …彼は憂いているのでしょうか。[まだ物言いたげだった顔を思い出して呟く。]