知らないでいてほしかった。その手を血に染める事も、友と呼んだ者を裏切る事も、――己の暮らした大切な世界を壊す事も。だがそれは、奴がお前を思っていたからじゃない。お前を贄に選ぶ事が、重すぎた。それだけのことだ。