[ヒソヒソ、そよそよ。兎の耳元で何かが囁く。びしょ濡れで噎せている小さな兎を覗き込んでいるのは───][着替えて女の子が戻って来る頃には、そこには兎の姿はなく、水気が綺麗に拭き取られてタオルも何もなくなっていた。代わりに、どこへ続くともしれない下り階段が暗い口を開いている*]