― フライハイト ―[トラオムングの壁面を滑り上がるように飛び、船の上空へと出る。その遥か上を見遣れば、六翼の姿。明らかに届かない、遥か彼方]高みの見物かよ。[いけ好かない、と言わんばかりに言い、内蔵の魔導機銃で撃ち上げようかと思ったが、空しすぎたので止めた。あそこへ至る手段はまだ失われていない。焦りは禁物、と自分に言い聞かせた]