[ざわりと、身震いと嫌悪感を感じる様な、嫌な気配が肌をついた] ……トオル、死にたくなければ遠巻きにしてろ……![両拳を構えてぐ、と身を屈めれば、『世界樹』を取り巻く霧の向こう側から大きな影がゆらゆらと蠢きだした。唇が早口に魔法の呪を刻むと同時に、アイルリートが走り出す。大地の守りを巡らせて走る人間の前に、ゆらり、と巨大な蛇の姿が現れるだろう。地を這う大蛇、毒々しい紫色をした巨大な舌が、小さな獲物を品定めする様に不気味に揺れ、牙がぬらりと光る。荒野の毒蛇、『七大蛇』のゴーイン]