―― 回想:一年前 ――
[警備兵になって二年程経って、その頃にはアリーセとも現在のような遠慮のあるようなないよな、傍から見れば仲良しと言える仲になっていた。
扉越しの会話も慣れたもので。
最近は見つからないように辺りに注意を払いつつ、人のいない隙に話しかけている。
それでも話に夢中になれば見つかって怒られるのだが。]
…ふーん、こういうの女って好きだよなぁ。
[とある物語。
運命に引き裂かれた男女が苦難を乗り越えて結ばれる話。
よくある物語だが、あまり興味はなかった。
アリーセはどうだったか、面白いと言ったかつまらないと言ったか。]