― 玄関→広間>>156 ―
[並んで歩いていると後から掛けられる言葉。
憧れ、などと言われると照れくさいと同時に、自由がない少年の身の上を案じて胸が疼いた。]
もちろん、僕の話で良ければいくらでも。
世界にはいろんな場所があってね。
この村のずっと遠くには…
炎の水や、氷の大地、砂の雪原なんかが
広がっているところもあるんだよ。
そこに住んでる人も、いろんな人たちがいるよ。
いつか、行けたら一緒に行ってみよう。
[”一緒に”なんて絵空事だろうか。
しかし、夢見るだけならタダだ。
「旅人に憧れている」と言うシェイに外の世界を見せてあげたいと思った。
そうこうしているうちに広間に着き、おいしそうに料理を食べるシェイ>>177に目を細めながら、メイドが運んで来た赤ワインを呷った。*]