― 聖蓮の池 ―[ 花神の領域たる蓮池は、夜にも常に蛍火が舞い飛び、日の下でのみ開く蓮花の蕾も内に光を抱いて仄光る。そこは、真の闇を知らぬ地だった ]好きなだけ食せ。皆、私への供物故。[ 花神が指し示した、その池の畔、豪奢な祭壇には、果物や魚、焼き菓子や団子の類まで、所謂お供えものが山のように積まれている。見たところ、全て供えられたばかりの、新鮮なもののようだとは、判るだろう。食べる気になるかは別として ]