[ 爪についた血を舐める姿が見える。
──先程、堕ちる手前で僕がしようとしたことだ。
口元が歪む。]
……くくくっ。
良かった。
僕はすっかり堕ちてしまったと思っていたけれど。
君を見て、僕はまだ立派に人間だと認識できたよ。
[ 人から見れば人狼、人狼から見れば覚醒し損ない。
今の僕はこのような位置なのだろう。
ならば、次の行動は決まっている。
男の爪が、腕が。
再び伸びるのが見えた>>186。──狙いは心臓か。
ガルーの瞬発力で心臓直撃は躱すものの、
掠った脇腹から大量の血が流れ出る。]