エトヴァルトならば使える…か。[主に向けられた不穏な気配に、鴉がキョ?と首を傾げる。黒い羽を撫でてやりながら、魔人の思考は儀式へ向いていた。エトヴァルトの血は特殊な触媒になりうる。その魂もまた、欠損した竜のそれをいくらか補えるのではないか。古の契約が代を重ねて結実した命だ。検討する価値はある。考え込む魔人を、鴉が不思議そうな目で見ていた。]