[再び近くに確認できたコンラートの表情は、冷たい。
違う。こんな顔は知らない。知っているのは、もっと温かい……]
旋回、下…っ!
[下降とまで伝えきれず、襲い掛かってきた槍の柄で左肩を後ろから強く殴りつけられた。ズキンとした痛みが走り、勢いにも押されるような形でトルメンタの上に伏せる]
……テイルッ。
[ルゥゥゥ!とトルメンタの心配そうな鳴き声が響く。
大丈夫、と伝える代わりに尾での反撃を指示した。とっさにそのくらいしか思いつける手段がなかった。
先に出してあった旋回の動きが再開され、太い尾が撓って白竜と乗り手に横合いから迫った]