[>>165口端から漏れた血を舐めとるその様子は、
何処か高貴な猫の様で]
――ッ…っ
[口元に感じた軽い痛み。
少女のような少年が、男の下唇に牙を立てていた。
それは、男が彼の血を零した事へのお返しだったのか――
笑みを浮かべるその様子は、まるで作り物の人形の様で。
――……このまま、時を止めて飾っておけりゃァ良いのにな……
男が感じたその思いを、かつての主人も感じたのだろう。
美しい薔薇をプリザードフラワーにするように
少年の身に、烙印を施した――……
それは、歪んだ愛のカタチだったのかも知れず]