[ 噂に聞けど悪に身を堕とした者にすら
触れられた事も言葉を交えた事もく
ただ神を愛し神に愛される事を随一に望む
使徒は未知を厭う。
知る者以外信じる者以外を穢らわしいと
半ば信じ込んでおり、
俗世の感情を持ち神に仇すると堕とされる
事のみを恐れているのだから、
愛≠祈りながら愛なぞ要らぬと
人を誑かし悪へと誘う呪いだと信じ込んでいた。
平等に愛さながら愛さない矛盾を
その身に孕みながらも折れず二対ある
白い翼はこの天使のお気に入りであった。
この躰こそ、決して失いたくなく、
穢されたくないものであった。 ]