次……これからのことですよね?
実は、具体的には何も考えていなくて……。
[相手の問いかけに、苦笑しながらぽつりとそう答える。
ずば抜けて魔法に長けているわけでもないし、前線に出て戦えるほどの技術や力もない。
自分が出来る事といえば、ちょっとした回復魔法や補助魔法でサポートしたり、得意の弓術で敵の隙をつくこと。
簡単に言えば、後ろから支援することだったから。
いざ魔王が倒されて平和になると、何が出来るのかがわからなくなる。]
ただ…、弓は続けたいんです。
平和の世では、趣味で続けるしかないかもしれない。
それでもいいから、これだけは続けたいなって。
両親から受け継いだことだから。
[今は亡き両親を想いながら、そんな意志の強さを自然と口にしていた。]