人狼物語−薔薇の下国

297 吸血鬼の脱出ゲーム


【見】 白絽侯 ソマリ

[薔薇の香纏う剣呑な視線を柔らかく受け止め、細い首筋に置いた指先を立てる。
石英の欠片のごとき白く鋭い爪が肌をぷつりと破った。
滲む赤に染まった指先は、爪紅をさしたようにも見えよう。

金の眼差しで彼女を縫いとめたまま、指先を口元に運ぶ。
自分で言ったとおり、ただの味見だ。]


 思ったとおり。
 裡に流れる命の水までも芳しい。

[ちら、と赤い舌を閃かせて指先を舐め、笑った。]

(187) 2015/01/30(Fri) 00:16:03

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