[ヨアヒムは、どんな顔をしているだろう。
じわりと後悔が泡のように沸き立ってきて、ペーターは慌てて顔を伏せた。]
この話、もうやめよ。したくない。
[どうにかそれだけ喉の奥から絞り出すと、俯きながら食事を詰め込んだ。
その後交わした言葉も、食事の味も、よく覚えてはいない。
ヨアヒムに奨められるままに>>185ベッドを借り、深くもぐりこんだ。
瞼が作り出した闇が、じわじわとペーターの心を苛む。
固く遮断された窓の向こうで、ごうごうと木々が揺れる音がする。
嵐が近づいてきたのだろうか。]
(全部、流れちゃえ…)
[朝になって、めちゃくちゃになって、何もかもなかったことになってしまえば……
ペーターが嫌う、子どもらしい馬鹿げた妄想だ。
それにすがることでしか、ペーターは「自分」を保つことができなかった**]