ああ……ちょっとな。
色々と用事済ませてから還ることにするな。
(還る場所は、大いなる宇宙。
世界を構成する欠片と成る為に。)
……クレメンス、今まで有難う。
あんたが居てくれて良かった。
今に始まったことじゃないが、俺はあんたに幾度と無く助けられ、
本心から頼りにしていたんだぞ?
責任者代理も居なくなるから、明日からはサボらず働くんだぞ?
もうガミガミ言う奴も減ってきた、からな……。
[この通りだ。
姿の見えない通話だけで揺らぎそうなのに、会えるはずがない。
しかも、自分が生き残る為とはいえ、彼をずっと騙していたのだから。
己が知ることは無いが、そう経たぬ間に彼は己の【聲】を聞くことになるのだろう。
――今まで吐き通していた嘘が明るみになる時。
何も知らずにいる己はきっと幸せなのだろう。
だが、残された彼は――? *]