[ジェフロイに向かって足を進めれば、なにか硬いものを踏みつけた感触。 足をずらせば、蝶のピアスが転がっていた。]……ああ、これは。[つまみ上げる。 あの時ベランダで話していた、護りたいという願い。 その結晶がこれなのか、と。 気を失っているであろう、ジェフロイを見下ろす。 影の手は、ジルが力を篭めたに合わせ、僅かに*緩んだ。*]