[背を向けた男>>183を見下ろし、満足そうに微笑んだ。
それでいい。正しい選択だ。
過去を振り返る必要はないと、血を分けた同胞へこれ以上声をかけることはなかった。]
……。
[寄り添うジークムントとアデルにも微笑みを贈ったところで、苛烈な程の聖の気配>>182を感じる。
じくりと痛みを増す傷口に、小さく舌打ちをした。
そのまま踵を返し、最後に一瞬だけ、己が壊した階段を見つめた。]
頑張って修理をしていただくとしましょうかねぇ。
[野茨公>>2:237の言葉を思い出し、血反吐と共に笑みを零す。
その言葉を最期に、足跡代わりに花を咲かせながら、男はその場から姿を消した。]