……うん、昨日もあまり眠れなくて…。 ―――…っ、あ、ありがとう。[眠れなかった目元を、いたわるように撫でてくれる指先は、彼女の咲かせる花のはなびらのように、優しくあたたかく感じられて。髪を撫で、頬に触れてくれた片割れの兄の手を無くしてからは、人に触れてもらうことが少なかったから、 嬉しいと同時に、微かな切なさに空色の瞳を細める。ああ、やっぱり、変わらないなあ…と思いながら。]