[そうこうするうちに、準備を整えた艦が東へ艦首を向けて並び始めた。黒鋼の竜の群れだ。出撃を前に、旗艦シュヴァルツアインは帝国艦隊の先頭で回頭し、玉声を届けた。] この海は遠く我らのふるさとまで続いている。 母なる海はひとつだ。 今、ひとつの国がそれを肯じ得ず、海狭の領有を主張している。 大海原と自由を求める我らの意志は、何者にも妨げられることは能わずと知らしめよ。 没することなき栄光と勝利を。 ── 全艦、 抜錨し前進!