[それから不敵に唇の端を三日月型に持ち上げる。自分もニコラスも人狼でない保障はないとの言葉にはわざと答えず、トーンを落として告げられた内容に淡々と同意した。]戦場では、自分が命を落とすかもしれないと思っている奴から先に死んでいく。その光景は、天国は唯一あの世だけに存在すると思えるほどだ。だから俺は、精一杯のはったりを効かせて、ようやく生き残ることに成功した。そも自分が殺されるどうかなんてことに脳みそを使うくらいなら、もっと有意義な考えを巡らせるね。