人狼物語−薔薇の下国

68 Es2nd― 緋の世界に滲む月 ―


狩猟師 ギィ

[城内へと、足が向いたその時だった。
礼拝堂で、気配だけを残し姿を見せなかった新人の
勇ましい叫び声を、人のそれよりも強くなった聴力が察知した。]

 ……生意気な奴だな…、

[くすくすと、声を上げて笑い零した。
けれど、新人に痛いところを突かれていたのは確かだった。]

 格好くらいつけさせてくれよ、後輩…

[付き合いが長い故お互い、
常に一緒に居るのが当り前になってしまったけれど
リエヴルは自分のものではないし、彼も牙を持った今、
容易に潰される存在ではなくなったのだ。
それに、リエヴルにだって支えるものを選ぶ権利はある、と。
紡いだ言葉がディークやリエヴルに届いたかは定かではなく
そのまま、歩みを進めていき]

(186) 2013/10/02(Wed) 04:07:52

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