―魔獣の領域―はい。少しじっとしていて下さいね。[>>178素直に首肯するカレルの肩の傷に少女は視線を走らせる。ユリアの同調する声に頷きを返すと、彼の肩に向かって手をかざした。ほわり、ほわり、と。カレルの頭上に降るのは、蝶のような形をした淡い紫色の小花。それが患部に溶け込むように消えるにつれ、傷は癒える事だろう。感謝の言葉が告げられれば、微笑んで]