[ローレルに久方振りの挨拶を受けたなら、瞳を細める。
最後に見たのは、出奔の時だったろうか。
未だ少女と言える年頃の娘が一人で旅立つなど懸念したものだが、あの頃よりは随分と旅慣れて逞しく見えるから不思議なものだ。]
ああ、まだ会えてなかったのか。
何事もなく騒動が収束して村長から解除の令でもあれば
存分に家族の時間が持てるだろうから、暫くの辛抱だね。
まあ尤も――
[言いかけた言葉は、駆け寄る足音に遮られる>>142]
……尤も、妹が一緒のようだから、
ある意味では心強いのかもね?
[先刻、自身より先に邸内へと入って行った娘。
コンスタンツェにとっても恐らく、久々の肉親との再会であろう。
矢継ぎ早に姉に畳み掛ける声がかつてのローレルと重なり
その時ばかりは飲食の手を止め、まじまじと彼女らを見てしまう。]