― 史書に載らない話 ―[タクマの大振りな予備動作。顰められた顔は痛みによるものか。ワインを零さぬよう右手を遠くに離しながら、アレクトールはワルツを踊るように螺旋へ踏み出す。タクマの背へ左手を回しながら逞しい身体を迎えにいった。] それより踊らないか。