詐欺は散々言われている。 おれのせいではないのだから、仕方ない。[しれっと肩を竦めて、こちらも同じように笑みを浮かべた。誰かさんに大声で怒鳴られた過去が、ほんのり胸を掠めて沈む。] おまえのは、多分それ、髭のせいだぞ。 どうした、 忙しすぎて剃る暇もないか?[こんなにも――… 会うのは久し振りだというのに。昔のように、他愛の無い軽口が浮かぶのが不思議で、でもなんだか納得だった。…ああ、変わらないなと。戦友《とも》の様子に、嬉しさを想う。]