― 湖畔 ―[立ち上がって二人に向けた顔は、それまでの人懐こいものとは少し違う、淡い微笑を湛えていた。 掴みどころが消えたようにも感じられるかもしれない。……背の風呂敷がなかったなら、多分] じゃあ、もう行かなきゃ。 とっても楽しかったのよ。ありがとう![それから、少しだけ迷ったあと] 頑張ってね。[一言告げると足元を蹴り、呼び寄せた風に乗って。 湖上で大きく一度手を振ると、彼方へと去って行くのだった*]