[小ホールの奥の階段を登れば、たどり着くのは六芒星形の空間。
こちらにも天井はなく、壁は円柱で構築されている。
六芒星の最奥には、黄金に煌めく玉座。
そこに座るのは、黄金の翼を持つ、白一色の装いの女性。
その手には、どこかで見たような槍が握られていた]
「……『混沌』を生み出すもの」
「汝らの存在、そして、その存在を赦す世界を容認はできぬ」
「……虚無への、回帰を」
[抑揚ない声が歌うように紡ぎ、直後、女性によく似た姿の影が幾つも現れる。
玉座に座る女性──『始原の秩序』と同じ力を宿す影。
それが、先に影の魔神が言っていた『力』なのは察しもつくか。
いずれにしろ、剣呑なる秩序の分身たちは、容易く散らされるつもりもなさそうだけれど。**]