ふ、私らしくもないですね。
[自嘲気味に唇を歪め、肩を竦めた。
敬愛し巫女姫の為に、全てを捧げると誓ったではないか。
そのための牙も、毒も身につけてきた。
光が光として存在するためには、影が、必要なのだ。
昔を懐かしんで、立ち止まっている時間なんて、自分には無い。]
『マーティン・バウマン様
お久しぶりです。
シュビドにも春はやってきましたか?
きっと暖かいのでしょうね。
学館の皆様はお元気にしていますか。
なんだか手合せをしてくれた時が懐かしくなりますね――――……』
[相変わらず、そんな風に冗長的でとりとめも無い文章を連ねていく。]