― 巨大な門が立つ荒野 ―
[転移したのは、門を見下ろす小高い丘の上だった。
荒野の真ん中に忽然と立つ門からは、この距離までくれば手で触れられそうなほどの瘴気がたちのぼっている。
開かれたその門の間からはなお濃い魔界の気配が漂い、蠢く死者の群れが次々に吐き出されている。
いずれ荒野を埋め尽くそうという勢いで増えていく死者たちの真ん中に、生きる者の気配がひとつ。]
死霊術師……というには、これはあまりにも大規模だな。
あの門を焦点具とした儀式魔法か。
[あの門は、おそらくは
それを操る実力を持つ術者か、あるいはそれを可能とするなにかがあるのか。]