[そこは、踏み入れてはならない世界のように思えた。自分が足を踏み入れれば、壊れてしまうような。] ――― 私は、薔薇の精だよ。[だから、名を問われて咄嗟に小さな嘘をついた。雪白の髪をした少年についているのと、同じ嘘。]