[黒いの、と呼びかけ宣する声は鋭い]─── アイリ・ファタリテート、[身を翻す女性の名を繰り返す。聞き覚えがあったかと思案する時間は短い。火矢が空を彩っていた]案ずるな、あの鎌に首を刈られる心算は無い。彼の方を頼む。下がるぞ。[男を案ずる騎士の声に返し、大鎌を振るわれたもう一人の騎士を下がらせるよう指示を出して、男自身も風上である北西へと一時移動する*]