― 天上宮・庭園奥 ―
[南の朱雀と北の玄武は、多くの意において対極となるもの。
反する要素も多くあるが故に、並び立つ機会はそう、多くはなく。
こうして言葉交わす事、それ自体も稀少と言えば稀少なもの]
……我がいとし子も、この地の護りとするべく呼び寄せてある。
あれは、どういう訳かお前に懐いているからな……何か事あれば、応じて動くだろう。
[その経緯、知らぬわけではないが冗談めかした口調で言って]
……では、私は出立の支度にかかる。
邪魔したな。
[短く告げて、ふわり、朱を翻す。
長くここにいれば、互いに干渉を引き起こし兼ねぬし、何より。
望む言葉>>180を得た以上、文字通り長居は無用と言えた]