― 回想/3年前 ―
[師と出会って1ヶ月が過ぎ、修行生活にも慣れて来た頃の事だった。
かつての友と、思わぬ再会を果たしたのは]
エリー!?
エリー……だよね?
良かった、生きてたんだ……!
[丁寧な言葉遣いも忘れて叫び、懐かしい面影を残す少女に駆け寄った。
涙を浮かべて、そこに居ることを確かめようとするように、手を伸ばす]
あたしが、具合悪くて寝込んでる時にね……
エリーは死んじゃったって、もういないって聞かされたの。
どうしてって、あたしより元気だったのにって訊いても、誰も教えてくれなくて……。
[丁度自身の体調が悪化し、リッター家を長らく訪れられずにいた最中の出来事だった。
エリーの実母の死や間を置かず迎えられたらしい後妻の事など気になる点はあれど、とても詳しく訊ねられる雰囲気ではなく。
両親やリッター家の言葉を、それまでずっと信じ込んでいたのだった]