[しばしの自己紹介の時間は平穏なものであったが。
サシャの口にした『人狼』という言葉に>>145、一瞬、しん、と不気味な沈黙が漂う。
口火を切ったのは誰だったか。
思い思いに意見を口にする者>>155>>158の言葉を聞きながら、やがて口を開いた。]
人狼っていう存在は、いる。
他の惑星から来た連中と、話をしたことがある。
[嘘はついていない。
実際そうして、話を聞いたこともある。
惨劇が始まるその前に、助けを呼ぶために離れたあの集落の話は――… >>53
彼にとって、軽はずみに話せる記憶ではない。
その生物の特性や系統樹の上の分類、亜種の分布、研究の進み具合――あるいは、進まなさ具合、についてまで、一般人にしては、やや多めな知識はあるが。
彼らが知りたいのは、そういうことではないだろう。
実際、それらの知識は、いまこの局面でどれほど役に立つことか。]