報告に間違いが無ければ、三百の兵ですね。
敵の動員能力から、今出せるほぼ総数で間違いありませんか? 生憎とサシャは知りませんので。
[ 私兵達から手短に聞ける話を聞けば、小さく頷いて]
卿の軍がどれだけ出せるかわかりませんが、支援の為に大きく迂回しましょう。
どれほど大きく迂回しようとも、馬の存在で相手に気取られたくありません。
馬は使わず、目一杯駆けましょう。
正規軍が押さえ込まれているという事を相手が知っているのなら、サシャ達の存在は貴重な遊撃兵となれるでしょう。
地の利はこちらにあります。
[ アレイゼル領主がそのまま襲い掛かるようであれば、迂回して背中を襲う。対峙が続くようであればどこかで埋伏させておいて様子を見る。
少数の兵だからこそ相手に気取られる可能性は低いが、アレイゼル領主がクレメンスの私兵の存在に熟知していて、尚且つ仮想敵国として地形も把握しているようであれば把握される可能性もある。
その場合は迂回も埋伏も放棄して逃げるべきだとも思った。
見つかれば全滅する程度の数でしかない。自分一人で飛び出すならばいいが、無駄死にを他人にさせる気はさらさらなかった。]