[挿絵を目にした少女の顔は何処か青ざめているようにも見えて。>>171
考えたのは、大人びた口調をする割に年相応なところもあるんだなあ、なんて場違いなこと。]
おい…リ――…
[しかし、声をかけるよりも速く手元へ開いていた古書が荒く閉じられれば、そちらへ目を向ける。>>175]
…はぁ?俺が無理矢理見せたわけじゃねえよ。
それに。――居もしない化物に怯えられるのは、子供の時だけの特権、だろ?
[大人になれば、不気味に思うことはあれど、
お伽噺に出てくる化物に怯えることなんて無くなるから。]
リゼットが見たいと言うなら見せてやるさ。
[窘められていたにしろ、青年は全く悪いとはおもっていないのだった。本が返ってくれば、そのままテーブルの上へと置いて。]