― 宿・食堂 ―
[ジムゾンを見送って>>164、ふと目線を移すと、部屋へ戻って行くシモンの後ろ姿が>>180見えた。
それから、それを助ける、見知らぬ旅人の姿。
彼がここにいた頃、ヨアヒムはわずか二歳。覚えているはずもなく。]
(…誰だろ。)
[考えて、あぁ、さっきすれ違った人だ>>171と気づく。
何だか、『お兄ちゃん』と離れていた年月を突きつけられた気がして、こてん、とテーブルに額をつけた。
ひんやりして気持ちがいい。]
(村の外で亡くなっていたの…旅人だって言ってたっけ。)
[あの人じゃなくて、良かったな。
シモンとその人の後ろ姿を眺めながら、何と無くそんな事を考えた。]