[ 砂漠の星の国王は考古学に造詣が深いと聞いていたが、
ローの思った以上に遺跡の採掘作業は進んでいた。
蔦に覆われた人工物
砂に埋もれかけた地下迷宮
水面に浮かぶ古の城
中でも学者としての興味を唆ったのは
王宮のある街に近い砂漠にある遺跡群だった。 ]
兄貴にも見せてやりたかったな。これは…
[ 到着は夜で。
月の光が砂漠の中に佇む遺跡を煌々と照らしていた。
その光景を何時間も、…叶うなら何時までも見つめていたいと
決してロマンチストではないロー・シェンですら思うほど。 ]
[ 月明かりに浮かぶ遺跡の姿は美しかった。 ]
[ 到着したその時から、朝になるまで。 ]
[ 目にした光景を網膜に焼き付けようとするように
年若い考古学者は遺跡の前に立ち尽くしていた。 ]