[む、と眉根を寄せる。
行商人は急ぐともなんとも口にはしないが、引き返す気もなさそうである>>171
だが、こちらとて何がなんでも戻れと強制的に連行するほどの理由もない。
むしろこの如才のなさなら、少なくとも砦で捕まり酷い目にあうこともなさそうだ。そう判断し]
俺の名はマルコ・クロイツ。
望むのならあなたを保護もしようが……。
仕方ない。戻る気がないのなら重々気をつけて。
[さすがに砦まで保護するわけにはいかない。
今、優先すべきなのは彼の身柄の保護ではないのだから]
ああ、ありがとう。
遠慮無く受け取っておこう。
[素直に礼を述べると、行商人から干菓子を受け取った]