[待ち合わせのことを気にする様子のガートルードに、首を横に振る。>>155]
あ、待ち合わせ、
いいよぁ、こんな状況なんだし、
悪いことなんかなんもないです。
都合のいい時に声かけてくれたら、
出来るだけすぐ行くから。
[非常事態ゆえ、何事も予定通りいくはずもない。
自分だって爆発があったとき、一大事と咄嗟に飛び出してしまったのだから。
確認したいこと――ここでは無理なのだろうか。
何の話だろうと気になりはするが、また後でというなら、そのときに、だ。
延ばされる指を避けることは無論せず、くしゃりと髪に触れるその手の下で、にっと笑って見せた。
――… 昔も、こんな風に触れてもらったことはあっただろうかと、
記憶をふっと遡りながら。
その手にいま、想うこともあるのだけれど、
それも、うん、また後でのときにしよう。]