[ そんな話の合間、近づいてきた冬花が差し出した組紐にぱちりと瞬く ]え?そんな大事なもの、俺に渡しちゃっていいのか?[ 優しい水気の宿る組紐は、彼女の木気を高め支えるものだろうに、と、とまどうように問い返すが、それが自分を気遣う気持ちからのものだとは分かったから、結局素直に借受けることにした ]ん…やっぱローズマリー様の気は優しいな…大将に妬かれねえといいけど。[ 冬花に倣って、組紐を右手に巻きつけながら、そんな軽口を叩いたのは、半分以上照れ隠しだ ]