[ぐるりと周囲を見回す。箱船に伸し掛かっていた艦は高度を上げて離れて行く。追って制裁を与えるべきかとも思うが、この暴挙への裁きは天の名の下に行うが相応しかろう、と思うが故にそれを選ぶ事はなく] ……よく、務められたな。[ふわり、月白色の翼を羽ばたかせ、近づくのは箱舟の舳先に見える姿。>>164] 導き手の奇跡の業。 この、告死の影翼シメオン・シュネーグレックヒェンがしかと見届けた。[向けるのは労いの言の葉と、これまでは正式に名乗る事のなかった自らの名。*]