─脱衣場─
[風呂からあがると、すでに替えの服が用意されていた。
あの蔦はよく仕事が出来るようだ]
[……しかし、それを広げて微妙な顔になる。
色は良い。要求通りの黒だ。それも光沢を持った濡羽色。最高だ。
だが、前面にも背面にも、袖や足首にまでも、大小様々なベルトがたくさんついたこのデザインは]
……まさか。
いや、まさか、ね。
居るはずない……偶然だよね。
[何度か着せられたことがあるから分かる。
……拘束服だった。
罪人用ではない。彼らにこんな上等の布地は使わない。
だから、高貴な人の、哀れな玩具用の物]