― 図書館内 ―[中に入ろう――その声に我に返って、>>94未だ呆然冷めやらぬ表情のまま頷いた。―――ばたん。やはり年月を感じさせる重厚な音を立てて扉が閉まれば、冷たい風はもう館内には入ってこない]……ふぅ。[ため息ひとつ。ふと手元に目をやれば、いつの間にか手渡されていた、パンの耳入りの袋が、本一冊ほどの重さを伴ってその存在を伝えていた]