― 視察から戻る前 ―
[白狼騎士団が800の軍勢を連れ王宮に押し掛けていた。
その騒ぎに気付いた一介の軍人が慌てながら大将の元へと駆け付け現状況を伝達すれば、唐突の出来事に驚きを隠せず急に立ち上がる。
蒼白となった顔で軍人に命を下そうとすれば、もう一人の軍人が息を切らせて大将の元へやって来て、息も絶え絶えになりながらも報告をする。
それを聞いた大将は余計血の気が引き、怒りに満ち溢れていた。]
『フェリクス殿下の制止の直令に背き、勝手な一存で軍を蜂起し、王宮に差し向けるとは明らかな国家反逆罪だ!
即刻フォールデン総督を拘束せよ!!
私は不在の殿下の代わりに現場に赴き、殿下に代わりに命を下す。』
[フォールデン総督より上位である大将、第一王子の不在時に代理の指揮を任せられているのだ。
視察から急ぎ戻ってくる第一王子が間に合わない事も踏まえ、代理として暴走した総督に命を下す為だ。
王宮を守る為に城内に居る軍人を集め正門へと向かって事の鎮圧に力を注ぐだろう**]