― ハールト ―[王子の帰還に、否が応にも町は沸き立つ。 着実に一歩ずつ進んでいるのだと、男は胸中に熱い思いを感じつ。 騎兵たちによく休むように命じたあと、軍議へと>>125。]はっ、紛い者が……。[見せられた手紙、王を騙るギィの名を、破り捨てたい衝動を抑える代わりに、忌々しげに睨みつけた。 男にとっては、王は今もホルン王ただ一人だけ。 そして、その後継者も今やカレル王子一人だけ。]