[湯の中を、真っ赤な薔薇の花弁が流れて来た。指先でつまんで口に含む。薔薇の精気はさほど残っていなくて実に物足りなかったが、それでもほんの気持ちだけ癒しにはなった][行こう、と思う。抗うこともなく脱落したと血親に知れたら、何をされるか分からない。それを思うと、湯の中にいても芯から冷えて行くようだった]